pinappleの日記

座右の銘 あればあるなりに、なければないなりに。

「気が利く」と言って欲しいんだ

pinapple2008-03-11

しばらく前のことだけれども、下の子(小2)と一緒にお風呂に入った時のこと。
子供が先に上がって、しばらくして上がったらバスタオルを手渡された。
「ありがとう」と言ったのだけれど、なんとなくうれしくなさそう。なんでかなぁーって家内に言うと、「気が利くって言って欲しいのよ」って。
へぇ、そうなのかって思って次のときに「おっ、気が利くねえ」とか言ってみたら確かにうれしそう。なんか『ありがとう』より『気が利くね』の方が感謝されてる気がするのかな、とか思って辞書を引いてみるとこんなふうに書かれていた。


「気が利く」
1 細かいところにまで注意が及ぶ。「若いのによく―く」
2 しゃれている。粋である。「―いたせりふ」


あー、そうなのか、と一人合点。こちらは1の意味で言ってるんだけどおそらく2の意味で喜んでいるんだろうなぁって。でもホントは『かっこいい』くらいに思っているんだと思う。そう思うとかわいいなぁって。子供って『ありがとう』よりも『気が利く』の方がうれしいってのは、やはり自分が認められてるって思うからなのかなって気がするし、それって別に子供でなくても大人だってそうだよね。ただ、表現の仕方はちょっと違うけど基本的には同じなんだって思うと、人はみな意識してなくとも自分の存在意義とかを他者から認められることによって確認しているんだって感じる。自分もしかりだなって、素直に思えることがうれしいし、そんなことに気づかせてもらった子供に感謝したいね。


実はそんなこと思ったのもこのエントリ『いい仕事、してますか? 「自分の仕事をつくる」』(わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる)で紹介された本を読んだことが関係してる。
いい話はこのエントリを直接読んでもらうとして、自分が読んで印象に残ったのは以下のパラグラフ。


"大手企業の経理事務、ロッジの手伝い、プログラマー、営業と様々な職種を経験してきたが、もっとも生き生きと楽しく仕事が出来たのはスーパーのレジ打ちだった、と語る女性も登場する。最初のうちは仕事が単調に感じられ、短大まで出た私がなぜレジなのかと不満に思っていた彼女が、いつも見かけるお客さんには「今日は○○ですか」と声を掛けてみたり、お年寄りの買い物なら持ちやすいように袋を二つに分けるなどしているうち、親しい挨拶や感謝の言葉をかけられるようになり、地域の人々とのコミュニケーションを深めていったという。そしてある日、隣のレジが空いているのに自分のレジにお客さんの列が出来ていることに気づき、たとえがたい感慨深さに包まれたそうだ。ここには、自分自身の発見や工夫が、手ごたえとなって戻ってくることの喜びがある。「意味」は、自分が行った好意に対するフィードバックによって生成される。"


生きるって事のすばらしさを教えてもらったよ。